
人間の体は、200余りの骨で骨格が形成されています。その骨格を覆うように筋肉が付着して「身体」を形づくっています。この筋肉は、体を動かす骨格筋、胃や腸などの内臓や血管の壁を形成する平滑筋(内臓筋)、心臓を形成する心筋の三つに大きく分けられます。
体を動かす骨格筋は、体重の約50%を占めています。筋肉は直径がほぼ0.1ミリの筋繊維が束のように集まってできており、縦方向に並んでいます。その端は腱となって骨と繋がっています。この筋繊維を縮めることによって骨を引っ張り、体を動かしているのです。また、筋繊維は鍛えることによって、その一本一本が太くなり、より力が出せる筋肉になります。
筋肉が発達する経路は二つあると考えられています。
一つ目は、筋肉がケガなどによって壊され、新しい筋線維が必要になったとき、普段活動していないサテライト細胞が成長因子の刺激を受け、一本の筋繊維へと成長していきます。トレーニングで疲労し、傷ついた筋肉にも同様のことが起こり、新たな筋繊維ができ上がります。
二つ目は、ホルモンによるものです。運動することによって筋肉は、疲労物質の乳酸が溜まるなど、いろいろなストレスを受けます。筋肉がストレスを受けると、脳から成長ホルモンをはじめ、さまざまなホルモンを分泌させる指令が出ます。そして、これらのホルモンの分泌によって、筋肉が発達していくのです。